Project file 1

千町冬みず田んぼプロジェクト

耕作放棄地の再生と冬期湛水
水田の生き物調査

冬みず田んぼ(冬期湛水)とは?

稲刈り後の水田に浅く水を張る自然農法です。地域によっては江戸は時代の農書にも登場する伝統農法のひとつですが,その価値が改めて注目されはじめたのは1990年代からです。現在は農水省や環境省のすすめで全国的にひろがっています。

農村工学研究所が調べた結果,四国では冬みず田んぼの記録がありませんでした。水の豊富な地域でないと実施できないため,四国では難しかったのかもしれません。しかし,石鎚山系が豊富な水をもたらす千町では可能ではないかと考え,実験的に実施することとなりました。LRP冬みず田んぼプロジェクトは,四国では珍しい冬期湛水の試みとなっています

 

千町にて実施している冬期湛水(2020年8月)

 

どんないいことがあるの?

冬みず田んぼには,生きものを増やす効果や温暖化を防ぐ効果などがあるといわれていますが,農家さんにとって大きなメリットは,除草効果です。植物プランクトンとの光競争や,大型の生きものによる攪拌効果で雑草が育ちにくいのがその理由とされています(岩澤2010)。

また,総合地球環境学研究所が行った室内実験では残留肥料(主にリン)が河川に流れ出るのを防ぐ効果があることがわかりました(Ishida et al. 2020)。さらに興味深いのは,実際の水田でどんなことが起こるのかは地域差もあり一概にはいえず,新たな発見が千町でみつかる可能性があります。

 

千町での試み

千町では201912月より耕作放棄地であった農地2筆(約600平方メートル)を住民や西条高校との協働で耕起し,以降継続して水を張っています。

どんな生きものがやってくるのかを調べるため,水田には赤外線センターのついたカメラを取り付けています。獣害防止の柵がありますので大型哺乳類は確認できていませんが,鳥類はたくさん撮影されています。その他,水田内の生物相の変化をモニタリングするため,生物調査を毎月行っています。水温ロガーも設置しています。

 

冬期湛水実験地の位置(2018年6月撮影)

 

水入れ前に実施した土壌調査(地球環境学堂陸域生態系管理論分野の真常先生にご協力をいただきました。2020年12月)
耕起(西条高校の生徒さんも大活躍いただきました。2019年12月6日)
給水(2019年12月6日)
畔塗り(2019年12月11日)
湛水した水田(2020年9月)
生き物調査の様子(2020年9月)

4.調査の様子・進捗

2020年11月
2020年10月
2020年9月
2020年8月
2020年7月
2020年6月
2020年5月
2020年4月
2020年3月

プロジェクトのトップページへ戻る

京都大学大学院 地球環境学堂 地域資源計画論研究室