中国,黄土高原における「地域の知」の再発見とインベントリの作成

黄色い大地に実りの彩が煌めく秋
生活にはラバやロバが利用されている
黄土高原特有の横穴式住居「ヤオトン(窰洞)」
半月形の植え穴,魚鱗坑。苗木を枯らさない工夫
延安の中心部。唐代にまで遡る宝塔がそびえる

黄土高原は中国の西北部に位置する内陸半乾燥地域です。この地域では,季節による寒暖の差が大きく,乾燥した気候に対応するため,各所に様々な工夫が見受けられます。丘陵地域では,多様な輪作システムをはじめ,環境リスクを分散させるための特徴的な農業技術が発展してきました。厳しい自然環境に適応するための食・住に関わる知恵も見逃せません。
しかし,このような「地域の知」も,耕作地への大規模な緑化政策や過疎高齢化,移民新村の設置などによって失われつつあります。将来,黄土高原をはじめとする半乾燥地域において,再度移住や開墾が必要になったとき,「地域の知」の喪失は,砂漠化の歴史が繰り返される可能性を示しています。
このような背景のもと,さまざまな角度から,黄土高原で培われてきた耕作知識や,信仰に見られる自然資源への人々の考え方を収集,蓄積するとともに,それらの科学的有効性について検証しています。さらに,ESD(持続可能な発展のための教育)や環境教育の立場から,地域に根差した具体的な「地域の知」伝承システムの構築を目指しています。

京都大学大学院 地球環境学堂 地域資源計画論研究室