モンゴル ウランバートルの都市域拡大の空間把握とその影響

ウランバートル市中心部のまわりにゲル地域がひろがる
ハシャーと呼ばれる木柵のなかにゲル(モンゴルの伝統的な移動式住居)や木造家屋を建て生活をしている。
高解像度衛星画像を用いるとゲル地域の空間的な拡がりを確認することができる。

モンゴル国では広大な国土の中で伝統的な生業である遊牧が営まれていますが、近年、首都ウランバートルでは人口が集中し、都市域の拡大が急速に進行しています。
1992年に起こった社会主義から自由主義への体制転換により制限されていた職業選択や居住地選択は自由化され、地方で遊牧を生業としていた牧民がウランバートルへと流入しています。1992年に約58万人であった人口は2010年には倍増し、近年、ゲル地域(ゲル地区ともいう)と呼ばれる都市周縁部の居住地区域が無秩序に発達しています。ゲル地域の急速な発達により社会インフラ整備は追いつかず、生活環境の悪化や、さらには交通渋滞や大気汚染が深刻な問題となっています。
モンゴルでは現在、自由主義経済を推進するための施策の一環として 2003 年より土地私有化法が施行されました。以前までは国土のすべてを国家が所有していましたが、国民は一世帯あたり一区画の土地を、居住または商用目的に限り、無償で私有する権利か?認められることとなりました。これによりゲル地域が急速に発達したといわれています。一方、現行の都市計画では都市域拡大を防止する対策がとられておらず、都市の成長管理が欠如しています。
このような中、我々の研究グループは衛星画像と地理情報システム(GIS)を用いて都市域拡大の空間的把握に取り組んでいます。衛星画像からウランバートル周縁部の土地利用変化を把握したり、GISに取り込みモデル化したりすることで、いつ・どこで・どのように都市が拡大していくのかを調べています。 

京都大学大学院 地球環境学堂 地域資源計画論研究室