半乾燥地域における社会的,生態的適合性のある砂漠化対処法の開発

黄土丘陵の景観。ガリが発達している
春,黄土丘陵の北端では,砂塵が舞い始める
夏,黄土を削った雨水が一斉に黄河へと集まる
秋,植林された沙棘Hippophae rhamnoidesに甘い果実が実った
ヤギの放牧。適正な放牧管理が重要になる

「砂漠化」とは,乾燥,半乾燥および乾燥半湿潤地で発生する土壌侵食などの土地の劣化を指します。世界に目を向けてみると,陸域の40%以上が上記のような乾燥した地域であり,そこでは,およそ20億人もの人々が厳しい生活を送っています。
中国では,1999年以降,土壌侵食を防止するため,世界に先駆けて,耕作地への大規模な緑化政策が実施されてきました。この政策によって,下流域の土砂堆積量は減少し,土壌侵食は緩和されたと言われています。しかし,具体的にそれぞれの場所をみてみると,植林する場所や樹種にルールがないために樹木が枯死したり,農業以外の生業にうまく転換できない人が生まれたりと,新しい課題も発生しています。同時に,当地の課題は,高度経済成長に伴う都市部と農村部,沿岸地域と内陸地域における経済格差の拡大という,現代中国の抱える農業・農村問題とも密接に関係しています。
本研究では,中国,陝西省北部の農村に焦点を当て,水食や風食を緩和でき,地域が実践可能な土地利用のあり方を,フィールドワークや地理情報システム(GIS),衛星画像の解析などを用いて学際的に研究しています。

京都大学大学院 地球環境学堂 地域資源計画論研究室